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#3


水をいっぱいに孕んだ雲が

低く上空に垂れ込めている

午後 14:46

子供達のふざけた悲鳴が

一つの街に反響し溶け合う

なんて太く強い力なんだろう

ほんの数センチの声帯から

絞り出された声は空気を伝わり

何百メートル離れた私の鼓膜を震わせる

ここは海の中 気体と言う名の海の中

工事現場は珊瑚の死骸

デジタルサイネージは美しい貝

飛ぶ鳥達は魚の群れ

ヒトデや蟹も高層ビルに

裸の気持ちをクジラのように

声帯を震わせば

遠いあなたにも

この思いは届くはず


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