#3
- Keiichiro Mori
- 2019年5月31日
- 読了時間: 1分
水をいっぱいに孕んだ雲が
低く上空に垂れ込めている
午後 14:46
子供達のふざけた悲鳴が
一つの街に反響し溶け合う
なんて太く強い力なんだろう
ほんの数センチの声帯から
絞り出された声は空気を伝わり
何百メートル離れた私の鼓膜を震わせる
ここは海の中 気体と言う名の海の中
工事現場は珊瑚の死骸
デジタルサイネージは美しい貝
飛ぶ鳥達は魚の群れ
ヒトデや蟹も高層ビルに
裸の気持ちをクジラのように
声帯を震わせば
遠いあなたにも
この思いは届くはず




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